【2026年版】生前贈与の7年ルールとは?相続対策に「最低7年」かかる理由を不動産のプロが解説
- M.MIYA
- 6月2日
- 読了時間: 6分
相続対策は「何かあってから」では間に合いません。
令和5年度の税制改正で生前贈与の「持ち戻し期間」が3年から7年に延長され、さらに令和8年度税制改正の大綱では不動産を使った相続税対策にも大きな制限がかかりました。
この記事では、京都・中京区の不動産会社「六連コンサルティング」が、不動産の視点から「なぜ相続対策には最低でも7年が必要なのか」をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
生前贈与の「7年ルール(持ち戻し期間の延長)」の正確な中身
令和8年度税制改正の大綱で変わる「不動産を使った相続税対策」の新ルール
贈与7年・不動産5年という「2つの時間の壁」が意味すること
不動産を持つ方が「今すぐ」始めるべき具体的な理由

「まだ大丈夫」と思っているうちに、選択肢は減っていく
「相続対策は、何かあってから考えればいい」——そう思っている方は少なくありません。
しかし、相続対策の中心になる「贈与」「不動産の組み換え」「財産の整理」は、いずれも実行してから効果が出るまでに長い時間がかかります。しかも近年の税制改正によって、その「効果が出るまでの時間」は年々長くなっています。
結論から言えば、相続対策には「最低でも7年」、不動産まで含めれば10年単位の準備期間を見ておく必要があります。なぜそう言えるのか、2つの税制改正を順に見ていきましょう。
改正①:生前贈与の「持ち戻し期間」が3年から7年へ(令和5年度改正)
そもそも「持ち戻し」とは
生前贈与は、相続税対策の基本的な手段のひとつです。生きているうちに財産を少しずつ家族へ贈与しておけば、その分だけ相続時の財産を減らせる、という考え方です。
ただし、ここに「持ち戻し」というルールがあります。亡くなる直前に駆け込みで贈与しても相続税逃れにならないよう、亡くなる前の一定期間内に行われた贈与は、相続財産に足し戻して相続税を計算するという仕組みです。
「3年」から「7年」へ延長された
この持ち戻しの対象期間が、令和5年度の税制改正で大きく変わりました。
改正前 | 改正後 | |
持ち戻しの対象期間 | 死亡前 3年 以内の贈与 | 死亡前 7年 以内の贈与 |
つまり、贈与による節税効果をしっかり活かすには、少なくとも亡くなる7年以上前から計画的に贈与を始めている必要があるということです。「そろそろ対策を」と思い立ってから始めたのでは、その贈与が持ち戻しの対象になり、想定した節税効果が得られない可能性が高くなります。
※ 延長分の取り扱いには経過措置や一定の控除が設けられています。具体的な計算や適用関係は、税理士など税務の専門家にご確認ください。
参考: 国税庁「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)No.4161」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4161.htm
国税庁「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(PDF)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023006-004.pdf
改正②:不動産を使った相続税対策に大きな制限(令和8年度改正)
「不動産は相続税対策になる」と言われてきた理由
これまで、賃貸アパートや賃貸マンションなどの「貸付用不動産」は、相続税対策の有効な手段とされてきました。現金で持つよりも、不動産は相続税を計算する際の評価額が市場価格より低くなりやすく、その差を使って相続税を圧縮できたからです。
「5年ルール」で、直前の不動産購入が封じられる
ところが、令和8年度(2026年度)の税制改正大綱で、この仕組みに大きな制限がかかることになりました。ポイントを整理すると、次のとおりです。
対象:亡くなる前 5年以内 に取得・新築した一定の「貸付用不動産」
評価方法:従来の路線価などをベースにした評価ではなく、原則として取得額をもとに地価変動等を考慮した価格(その80%相当)で評価する
適用時期:令和9年(2027年)1月1日以後の相続などから適用
要するに、「亡くなる直前に賃貸不動産を買って相続税を下げる」という対策は、今後ほぼ使えなくなるということです。これまで国税が相続対策の節目としてきた期間が「3年以内」から「5年以内」へ延長されたことも、「不動産を相続税対策の道具に使ってほしくない」という国の姿勢の表れと受け止められています。
※ どの不動産が対象になるか(一棟もの・区分・商業用・底地など)の細かい線引きは、今後の通達などで明確になる部分があります。最新の取り扱いは専門家にご確認ください。
参考: 財務省「令和8年度税制改正の大綱」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/index.html
2つの改正が意味すること——「贈与7年・不動産5年」という時間の壁
ここまでの2つの改正を並べてみると、相続対策に共通する「時間の壁」が見えてきます。
対策の手段 | 必要な「前倒し」の期間 |
生前贈与 | 亡くなる 7年 以上前から |
貸付用不動産の活用 | 亡くなる 5年 超前に取得しておく |
贈与は7年、不動産活用は5年。税制によって、相続対策に必要な準備期間が明確に「長く」設定されたのです。
しかも、ここに挙げた贈与・不動産活用に加えて、相続対策では「財産の整理」や「不動産の組み換え(使っていない不動産を売却し、活用しやすい形に変える等)」にも時間がかかります。これらをすべて含めて考えると、相続対策全体では10年単位の準備期間を見ておくのが理想です。
判断能力があり、ご家族が元気なうちに動き出すこと——それが、いざというときに慌てないための最善の対策になります。
不動産を持つ方こそ、早めの「現状把握」を
相続財産の中で、自宅や賃貸物件などの「不動産」が大きな割合を占めるご家庭は少なくありません。そして不動産は、現金や預金と違って「すぐに分けられない」「すぐに売れない」「評価が複雑」という特徴を持っています。
不動産の評価額しだいで、相続税がかかるかどうかが変わる
売るか・活用するか・持ち続けるかで、取るべき対策が変わる
遠方の不動産は、管理も売却も時間がかかる
だからこそ、まずは**「自分の不動産が相続のときにどう扱われるのか」を早い段階で把握しておくこと**が、すべての対策の出発点になります。
六連コンサルティングでは、公認 不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)が、不動産の視点から相続対策の方向性をご提案します。税務・法務の具体的な手続きは、提携する税理士・司法書士などの専門家と連携して対応しますので、安心してご相談ください。
まとめ
令和5年度改正で、生前贈与の持ち戻し期間が 3年→7年 に延長された
令和8年度改正で、亡くなる前 5年以内 に取得した貸付用不動産の評価が見直され、直前の不動産購入による節税策に制限がかかる(令和9年1月以後の相続から適用)
贈与7年・不動産5年という「時間の壁」により、相続対策には 最低でも7年、理想は10年単位 の準備期間が必要
不動産を持つ方は、まず「現状把握」から早めに動き出すことが最善の対策
「うちの場合はどうなるんだろう?」と思ったら、できるだけ早い段階でご相談ください。初回相談は無料です。
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※ 本記事は2026年6月時点の情報に基づく一般的な解説です。税務・法務に関する具体的なアドバイスは、税理士・司法書士等の専門家へのご相談を推奨します。当社は不動産の観点からのコンサルティングを行います。




